解体するしない?解体費用の相場、税金、助成金
解体するしない?解体費用の相場、税金、助成金
このページでは、農地を売買するときのルール、注意点などを解説します。
解体して更地で売るかを判断する基準
一戸建て住宅などで、建物をそのままにしておるべきか、更地にもどして売るべきか、迷うことがあります。
どんなときに建物の解体を検討すればよいか、その判断基準を説明します。
解体して更地で売るかを判断する基準
- 建物が、引き続き使用に耐えられるか?
- 1981年以降の新耐震基準で建てられたか?
- 建物の古さを補うだけの立地の良さがあるか?
- 更地にした後で、法律・条例の点で、建物を建築できるか?
- 古くなった家屋が古民家として通用するか?
何点か補足説明します。
新旧の耐震基準
1981年6月に建築基準法の耐震基準が見直され、「新耐震基準」が制定されました。
それ以前の「旧耐震基準」で建てられた建物は、地震に弱いことから売れにくいです。
法律・条例により、建築が難しくなるケース
建物を新たに建てるときは、法律や条例で定められた数々の条件をクリアしなければなりません。
建物が古い場合、建てられた後に法律や条例が新たに制定されたために、解体前と同じような仕様(建ぺい率、容積率、高さ等々)の建物を建てられないことがあります。
場合によっては、古い建物を残すほうが、売り物として魅力的なことがあります。
古民家として売れる条件
「古民家」の明確な定義はありません。
ただ、古いだけの民家では買い手がつかないでしょう。一般的には、地域の伝統や古い慣習をを反映した構造、工法、意匠などが求められるそうです。
しかし、売り主にとっては古くて不便なだけのものでも、他の人の目には違って映るかもしれません。
また、古い建物を古民家としてリノベーション(作り変える)する業者もいます。
気になるようでしたら、地元で古民家として売買された物件について知っている、不動産の専門家に相談したいです。
解体費用の内訳
建物の解体費用の内訳には、以下のようなものがあります。
おもな解体費用
- 解体工事費用
- 建物養生費
- 重機回送費
- ブロック塀、土間コンクリート斫
重要な点を中心に補足説明します。
解体工事費用
解体工事費用は、建物の構造、面積、立地条件(近隣との距離や道路幅)などから決まります。
また、地域による価格差がありますし、同じ地域でも季節によって上下します。
下で、参考までに、坪単価をご案内しています。
建物養生費
解体による粉塵の飛散、騒音の発生などを最小限にとどめるため、建物の周囲を養生シートで囲むのが一般的です。
費用は、使用する養生シートの面積によります。
相場は、1㎡あたり800円前後です。
重機回送費
重機とは、ショベルカーとか、クレーン車とか、ダンプカーなどを指します。住宅の解体工事では、小型の油圧ショベルがよく使われます。
解体工事で重機を使用するための料金は、工事費に含まれています。
重機回送費は、解体現場までの重機の運搬費用です。油圧ショベルは公道を自走できないので、運搬しなければなりません。
運搬する距離や頻度によって、費用は変動します。
解体工事費の相場
解体工事の費用は、いろいろな条件が組み合わさって決まります。
ここでは、目安として、坪数別、建物の構造別に相場をご案内します。
20坪の住宅の解体費用の相場
建物の構造別に分類しました。金額は20坪分の費用です。
木造住宅 | 52万円〜76万円 |
---|---|
鉄骨造住宅 | 74万円〜88万円 |
RC造住宅 | 78万円〜122万円 |
50坪の住宅の解体費用の相場
建物の構造別に分類しました。金額は50坪分の費用です。
木造住宅 | 130万円〜190万円 |
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鉄骨造住宅 | 185万円〜220万円 |
RC造住宅 | 195万円〜305万円 |
100坪の住宅の解体費用の相場
建物の構造別に分類しました。金額は100坪分の費用です。
木造住宅 | 260万円〜380万円 |
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鉄骨造住宅 | 370万円〜440万円 |
RC造住宅 | 390万円〜610万円 |
解体費用の税金、税務上の取り扱い
固定資産税、所得税、所得税の特別控除について、ご説明します。
解体後の固定資産税
建物を解体した後も更地を所有していると、固定資産税がかかります。
固定資産税は、1月1日時点の所有者が、1年分を納めることになっています。
よって、土地を売るつもりで建物を解体し、更地の状態で1月1日を迎えたら、更地の固定資産税を納めなければなりません。
このとき問題になるのが、建物があるときより、更地のほうが、固定資産税は大幅に高くなるということです。
土地の固定資産税を算出するときに、もし住宅が建っていたら、土地の評価額が6分の1または3分の1に減額できる、という特例があります。
更地では、この特例を受けることができません。
更地にすると、建物の分の固定資産税はなくなるものの、土地の評価額が数倍に増えるので、総額では税額が増えてしまいます。
できることなら、1月1日をまたがないスケジュールで、解体工事から売却までを終えたいです。
解体後に土地を売ったときの所得税
建物を解体して更地にして、その土地を売却した場合、解体費用は売却のための経費(=譲渡費用)に含まれます。
もし土地を売却して利益が生じたときは、その利益に所得税がかかります。
所得税額は、次の計算式で算出します。
解体費用のような譲渡費用が大きくなれば、所得税額は小さくなります。
相続税の特別控除
相続税した不動産を売却したときに、以下のすべての条件を満たすと、3000万円の特別控除を受けることができます(所得税の計算で、売却価格から3000万円を引くことができます)。
- 建物が、昭和56年5月31日以前に建てられた(旧耐震基準)居住用家屋であること。
- 居住用家屋に、被相続人が1人で住んでいたこと。
- 相続してから建物を解体して、更地にしたこと。
- 相続から3年目の年末までに、1億円以下で第三者に売却したこと。
ちなみに、相続人が、更地にした後で、現行の耐震基準に適合する建物を新築して、土地・建物を売却しても、3000万円の特別控除を受けられます。
しかし、売却するのが目的なら、普通は更地の状態で売りに出すはずです。
いずれにしても、この特別控除を受けるためには、相続から3年目の年末までに、すべてをやり終えなければなりません。
解体工事にも、買い手を見つけるにも時間がかかります。
できれば専門家のアドバイスを受けながら、計画的に事を進めたいです。
解体費用がないときの対処法
解体費用の節約法や、費用を捻出できないときの対処法を説明します。
解体費用の節約方法
以下のことができないか、ご検討ください。
解体費用を節約する方法
- 補助金、助成金を使えないか、自治体で調べる。
- 自分で処分できるもの(家財や庭の草木等)は、解体前に処分する。
- 解体の工期を、業者に合わせる。
- 複数業者の見積もりを比較する。
重要な点をいくつか補足します。
自治体の補助金、助成金
まだ多くはありませんが、老朽家屋等の解体費用を助成する自治体が増えています。
助成の条件は自治体によってまちまちです。いくつか例をあげますと・・・
- 札幌市〔危険空き家の解体費用の3分の1(上限50万円)を補助〕
- 福島市〔ブロック塀等の解体費用の2分の1(1mにつき5千円まで、総額10万円まで)を補助〕
- 富山市〔空き家等の解体費用の5分の4(上限160万円)を補助〕
- 静岡市〔指定地区の危険住宅の解体と転居に対し80.2万円補助〕
- 大阪市〔S56.5.31以前の木造住宅の解体費用の3分の2(上限100万円)を補助〕
物件の所在地の自治体に問い合わせるか、自治体のウェブサイトでご確認ください。
解体の工期を、業者に合わせる
同じ解体業者でも、依頼する工期によって費用は変動します。
忙しい時期や、工期直前の申込だと、高くなる可能性が高いです。
逆に、解体業者の都合にこちらが合わせると、先方にとってメリットがあるので、値引き交渉しやすくなります。
空き家解体ローン
以前、一般的な住宅ローンは、解体費用には使えませんでした。
それがここ最近、地方銀行、信用金庫、JAなどを中心に、空き家解体のためのローンが増加しています。
不動産買取
不動産買取とは、不動産業者に買い取っていもらうことです。
不動産買取は、第三者に売却するときより、けっこう安くなります。しかし、すぐに売却でき、現金化できます。
空き家を放置していると、放火、空き巣、動物の侵入などが心配です。
また、年単位で買い手がつかないと、固定資産税がかかります。
販売力の高い不動産業者を探す
更地の購入を考えている買い手は、解体の負担から、古家付き土地の購入を渋りがちです。
たとえ、解体の負担を含めてもオトクな金額で売り出したとしても、仲介する業者に営業力・販売力がともなっていないと、そのメリットをうまく買い手に訴求できません。
魅力ある価格設定をしても買い手がつかない原因は、不動産業者にあるかもしれません。
まとめ
古家付き土地の売却には、仲介してもらうにしろ、買い取ってもらうにしろ、実力と実績のある不動産業者を活用したいです。
不動産一括査定サイトを使って、頼りになる業者を探しましょう。
不動産一括査定サイト(サービス)を利用すると、あなたの売りたいと思っている不動産情報と個人情報を入れるだけで、適切な不動産会社を自動的にマッチングし、複数の不動産会社へ一度に査定依頼が行えます。
まず複数の会社と話をして、価格相場や市場動向などを知りましょう。
そして、ご自身と合う、頼りになる担当者が見つかったら、専任媒介契約を結んで、しっかり働いてもらいましょう。