築年数と資産価値の関係(一戸建て篇)
築年数と資産価値の関係(一戸建て篇)
このページでは、一戸建ての築年数と資産価値との関係、そして売るときの注意点を解説します。
一戸建ての築年数と売れ行き
下のグラフは、公益社団法人東日本不動産流通機構と近畿圏不動産流通機構の直近の統計を元に、一戸建ての築年数と売れ行き(成約件数)との関係を表しています。
首都圏と近畿圏とで、大まかな傾向は共通しています。
どちらも築31年以上の件数が飛び抜けて多いです。そして、築年数20年前後に第二の山があります。
もっとも、首都圏のほうが全体的に築浅物件の成約件数が高いです。とくに築31年以上の件数には、大きな差があります。
築20年前後と、築30年以降とが、成約件数が多いのですね。
それにしても、地域による売れ行きの違いは、意外と大きいですね・・・
一戸建ての築年数と資産価値(売却価格)
下のグラフは、やはり公益社団法人東日本不動産流通機構と近畿圏不動産流通機構の直近の統計を元に、一戸建ての築年数と売却価格との関係を表しています。
首都圏・近畿圏ともに、減少ペースに変化はありますが、一貫して資産価値は下がり続けています。
とはいえ、強く意識しなければならないような“売り時”は無いようです。
一戸建ての物理的耐用年数と経済的耐用年数
建物には、3つの耐用年数があります。
一戸建ての3つの耐用年数
- 法定耐用年数(減価償却費の算定基準)
- 物理的耐用年数(物理的な寿命)
- 経済的耐用年数(修繕・管理ができなくなる)
以下で、それぞれについて補足説明します。
法定耐用年数
財務省が決めている、減価償却費の算定基準となる耐用年数です。
建物の種類によって異なります。
木骨モルタル | 20年 |
---|---|
木造 / 合成樹脂造 | 22年 |
れんが作り / 石造 / ブロック造 | 38年 |
鉄骨鉄筋コンクリート / 鉄筋コンクリート | 47年 |
一戸建ての物理的な寿命には、直接関係しません。
物理的耐用年数
躯体(建物の骨格)の寿命を指します。
一昔前は、木造住宅で約30年と言われていましたが、現在ではそれよりかなり長いと考えられています。約65年とする研究論文もあります。
ただし、既存の建物に関する統計が国内で整備されておらず、実際の物理的耐用年数はハッキリしません。
また、管理組合が計画的にメンテナンスを実施するマンションと違って、一戸建てのメンテナンスは所有者次第です。
所有者の手のかけ方によって、物理的耐用年数は、大きな差が出そうです。
経済的耐用年数
不動産市場での商品価値の耐用年数です。
住居として使用できても、購入希望者がいなくなれば、経済的耐用年数はゼロになります。
周辺環境が変わって立地が最悪になるとか、間取りや設備が時代遅れになるとか、メンテナンス不備で見た目が酷いなどありえます。
築年数別、一戸建て売却のポイント
築年数別に売却のポイントを解説します。
築10年以内
建物の価格低下は、けっこう急速です。新築から10年で半減することも珍しくありません(土地を含めると、下がり方はゆるやかです)。
大手ハウスメーカー物件の方が、下落が緩やかになるかもしれません。
築20年以内
新築から10〜20年になると、外壁、屋根、内装、水回り、床下(シロアリ)などのメンテナンスの時期が次々とやってきます。
タイミングよくメンテナンスして、建物の商品価値を守りましょう。
築20年超
築20年を超えると、建物部分の資産価値はほとんどなくなります。築30年になると、土地のみの価格で取引されるのが通例です。
場合によっては、建物を解体して更地にしたほうが売却しやすくなります。
もっとも、更地にするには大きな費用がかかります。また、いったん更地にして建て直すと、現行の法令の規制を受けて(容積率、建ぺい率の制限等)、不利になることがあります。慎重にご判断ください。
なお、売却するためにリフォーム・リノベーションしても、それにかけた費用分、売価がアップする可能性は低いです。
まとめ
上で、首都圏と近畿圏のグラフをご覧いただきましたが、築年数と成約件数や単価との関係には、地域差があります。
また、同じ地域でも、時期によってあるいは年によって違いがあります。
よって、地域の相場や市場の動向を分かっている、頼れる不動産業者を見つけることが、売却成功の鍵になります。
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