住宅ローンの返済額の目安は月々いくら?

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住宅ローンの月々の返済額は、いくらがいいのでしょうか?

住宅ローンは、借り入れ金額が大きい上に、返済期間が数十年に渡ります。どんな基準で判断すればよいか、不安になってしまいます・・・
世帯構成、働き方、お住いの地域などによって、最終的な判断は個別に異なります。
ここでは、ベースとなる考え方やデータをご案内します。

まず、住宅ローンの組み方を確認しておきましょう。

住宅ローンとは、その名の通り住宅を購入するために利用する借り入れを指します。その特徴をまとめると、次のようになります。

住宅ローンの特徴
  • 住宅の購入以外の用途では利用できない。
  • 他のローンの返済中に、住宅ローンに変更できない。
  • 頭金を入れることで、月々の返済額を下げられる。
  • 金融機関によって、審査の基準は異なる。

上のうち、借りたお金の使途と、借りるための条件について、補足説明します。

ローンで借りたお金の使用目的

借りたお金の使途は、次のいずれかに当てはまらなければなりません。

借りたお金の使途
  • 自分が住むための住宅の購入、建築のための資金
  • 自分が住むための住宅の増改築資金
  • 住宅ローンの借換え資金
  • 住宅購入のための諸費用(一部の金融機関)

借りるための条件

金融機関で、おおむね共通するところを、下表にまとめました。

年齢
  • 申込の年齢が20歳以上で、65歳~69歳くらいが上限。
  • 完済のときに75歳~80歳くらいまで。
勤務先・雇用状態など
  • 勤続年数や営業年数が2~3年以上。
  • 会社員・公務員の場合、非正規雇用は不利。
年収
  • 200万円から400万円程度が最低ライン。
  • すべての返済額が、年収の25%~35%の範囲内。
債務保証
  • 所定の保証会社の保証を得られること。
  • 金融機関によっては、保証会社の保証+保証人を求められる。
団体信用生命保険 原則として、加入が必要。ただし、一部、任意加入の金融機関がある。
融資期間 最長35年以内で、かつ完済時の年齢が80歳以下になるように、期間が設定される。
返済方法 元利均等返済、元金均等返済、ボーナス払い併用などがある。金融機関によって異なる。

年収からみる借入可能額とは?

住宅ローンの仕組みを踏まえて、借入額を決めるときの考え方をご説明します。

返済額が年収の25%~35%なら、金融機関は貸してくれるのですよね。

ということは、返済額が年収の25%~35%というのが、判断基準なのですか?

金融機関の基準よりもっと低くしたほうが安全、とアドバイスする家計の専門家は多いです。

たとえば、以下のような考え方があります。

あくまでも一般論ですが、次のような考え方を目にすることが多いです。

【考え方➀】住宅ローンの借入額は年収の5倍まで

誰が言い出したかはわかりませんが、昔からある定説です。

例として、フラット35で年収の5倍を借りたときの、返済額のシミュレーションをご覧ください。

金利は、年利1.5%で計算しました(2020年5月現在の最瀕金利1.3%)。

年収 借入額 年間返済額
(年収内の割合)
300万円 1500万円 55万円
(18.3%)
500万円 2500万円 92万円
(18.4%)
700万円 3500万円 129万円
(18.4%)
900万円 4500万円 165万円
(18.3%)

金利を1.5%としたときの返済額は、いずれのパターンでも年収の18.3〜18.4%です。

金融機関が貸し付ける条件(年収の25%~35%)より、やや低いです。

「借入額は年収の5倍まで」というのは、現在でも通用する堅実な目安と言えそうです。

上は金利1.5%でのシミュレーションですが、金利がこれより高いと、返済額も高くなります。

【考え方➁】世間相場では、もっとも多いのは収入の15%〜20%

実際のところ、他の人たちの返済負担率(収入に対する返済額の比率)はどのくらいなのか、統計データで調べたところ、下図のグラフのとおりでした(住宅金融支援機構「民間住宅ローンの実態調査」2018年度第2回)。

住宅ローンの返済負担率(収入に対する返済額の比率)
「15〜20%」がもっとも多いですが、「10〜15%」や「20〜25%」もけっこう多いですね。
固定金利の方が「20〜25%」の人が多いのは、返済計画を立てやすいからでしょう。変動金利は、今後金利が変動するかもしれないので、それより慎重になる傾向があるようです。

月々の返済額に見合う年収はどのくらい?

収入に対する返済額の適切な割合を15〜20%までとしたときの、月々の返済額に見合う年収を算出しました。

ボーナス払い併用をしない想定での金額です。

返済額 年収
月々5万円 300〜400万円
月々6万円 360〜480万円
月々7万円 420〜560万円
月々8万円 480〜640万円
月々9万円 540〜720万円
月々10万円 600〜800万円
月々15万円 900〜1200万円

実際に借りられる金額は、頭金を入れるかや返済期間によって異なります。個別のシミュレーションをおこなう必要があります。

多くの金融機関がウェブサイトでシミュレーション機能を提供しています。以下は、ほんの一例です。

まとめ

住宅ローンの支払いは何十年と続きます。そして、一度住宅ローンを組んだらそう、契約内容を変えるのは簡単ではありません。

そのため、契約前にしっかりと返済計画を立てておくことが大切です。

とは言え、遠い将来のことまでを、正確に想定するのは難しいです。想定外のケースに陥るかもしれません。

万が一そうなったときに、どんな方法があるかも、あらかじめ知っておきたいです。以下の記事を参考になさってください。