住宅ローンとは?審査・金利・返済・保証・商品を解説
初心者向けに、住宅ローンのことをわかりやすく解説
このページでは、住宅ローンの基本を中心に、以下のことを解説します。
世帯構成、働き方、お住いの地域などによって、最終的な判断は個別に異なります。
ここでは、ベースとなる考え方やデータをご案内します。
住宅ローンとは?わかりやすく図解
住宅ローンの仕組み、登場人物(不動産会社、金融機関等)、それぞれの役割を、図にわかりやすくまとめました。
おもな登場人物にしぼりましたが、それでも5機関と複雑になりました。
それぞれの機関の役割などを、補足します。
金融機関 |
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お金を借り入れるとき、直接の窓口になるのが金融機関です。自社のローンだけでなく、提携している他機関のローンも提供しています。 都市銀行、地方銀行、第二地方銀行、ネット銀行、信託銀行などが取り扱っています。 |
保証会社 |
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万が一、わたしたちが返済できなくなったときに、保証会社が変わりに返済してくれます。その見返りとして、わたしたちは保証会社に保証料を支払います。 ただし、それによって、わたしたちの返済義務が消滅するわけではありません。銀行ではなく、保証会社に返済しなければならなくなります。 保証会社は、金融機関の子会社であることが多いです。 |
生命保険会社 |
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住宅ローンで借りるときに、たいてい団体信用生命保険(団信)への加入が条件になっています。 住宅ローン返済中に、借りた人が亡くなるなどしたら、団信から保険金が金融機関に支払われて、ローンは消滅します(返済終了)。 保険の契約者=保険料負担者は金融機関ですお金を借りた人は、被保険者になります。 |
住宅金融支援機構 |
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金融機関は、自社のローンの他に、他の機関との提携による住宅ローンも提供しています。その代表が、住宅金融支援機構と提携して提供する「フラット35」や、その兄弟商品の「フラット20」「フラット50」等です。 住宅金融支援機構は、資本金全額政府出資の、公共性の強い組織です。 |
なお、フラット35を利用しないときは、住宅金融支援機構は外れます。
また、保証や団体信用保険をどうするかは、異なる取り扱いになることがあります。
住宅ローンは大きく3種類ある
どこが運営しているかで住宅ローンを分類すると、大きく3つに分けられます。
銀行等の民間ローン |
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金利は、変動金利型、固定金利期間選択型(初めの数年間は固定金利で、その後変動金利になる)、全期間固定金利型から選べる。 |
フラット35等 |
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財形住宅融資 |
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住宅ローンの審査
ここでは、➀審査の流れ、➁主な審査項目、➁審査の必要書類を説明します。
住宅ローンの審査の流れ
一般的には、次のように進みます。
程度
程度
(物件引き渡し時)
事前審査と本審査で、3週間以上を見込んでおきましょう。
主な審査項目
審査項目は金融機関によって異なります。
国土交通省「民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書(令和元年度)」によると、多くの金融機関で採用されている審査項目は、次のとおりです。
90%以上の金融機関 |
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60%以上の金融機関 |
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審査の必要書類
金融機関によって多少違いはあります。ここでは、おおむね共通するものをご案内します。
対象 | 必要書類 |
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全員共通 |
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会社員、公務員 | 源泉徴収票(前年分) |
自営業者、フリーランス等 | 確定申告書および付表(ともに直近3年分) |
法人の代表者 |
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他にローンの借り入れがある人 | その借り入れの償還予定表や残高証明書 |
住宅ローン借り換えの人 |
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住宅ローンの金利
%の大小とは別に、金利には3つの種類があります。
それぞれの仕組みとメリット・デメリットを整理しました。
(全期間)固定金利型
全期間の金利が、借り入れの時点で確定します。ということは、毎月の返済額や総返済額も確定します。
メリット | デメリット |
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現在は超低金利なので、長い目で見ると、市場金利がもっと下がって、悔しい思いをするリスクは低いかもですね。
将来、住宅ローンの借り換えをする予定がない人には、この型が向いています。
変動金利型
金利は、年に2回(4月と10月)見直されます。
ただし、毎月返済額はその都度の見直されるわけではなく、返済額の見直しは5年ごとです。
なお、見直しの幅には上限が設けられており、直前の返済額の1.25倍より増加することはありません。
メリット | デメリット |
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現在は超低金利なので、長い目で見ると、市場金利は上がる可能性が高いです。スタート時点で、すでに負担感を感じるような借り方は危険です。
早い時期に、繰り上げ返済をする計画がある方に、変動金利型は向いています。
固定金利期間選択型
固定金利でスタートしますが、一定期間(3年、5年、7年、10年、15年など)ごとに、固定金利か変動金利かを選択できます。
実際の利率は、それぞれの時点の金利が適用されます。
メリット | デメリット |
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住宅ローンの返済方法
住宅ローンの返済方法(返済額の決め方、計算方法)には、元利均等返済と元金均等返済があります。
元利均等返済
毎月の返済額が一定となる返済方法です。わかりやすさ、計画のたて安さが特徴です。
もっとも、返済額を一定に保つために、内部では多少複雑な計算がおこなわれています。
メリット | デメリット |
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元金均等返済
毎月の返済額のうち、元金部分は一定ですが、利息部分はだんだん少なくなります。
利息は債務残高に対してかかるので、返済が進むにつれて利息が減るのは、実は自然なことです。
メリット | デメリット |
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総返済額が少ないのと、老後の返済額が小さくなるのは魅力ですね。
問題は、返済開始時点で、負担できるようなプランができるか・・・ですね。
住宅ローンの保証
住宅ローンを借りる際に、原則として、保証人を用意する必要はありません。
そのかわりに、金融機関が指定する保証会社と契約して、保証人になってもらう必要があります。
保証会社とは
大手の銀行なら、たいてい子会社に保証会社があります。
系列の保証会社が無い金融機関であれば(地方銀行、信用金庫など)、独立系の保証会社と提携関係にあります。
保証のしくみ
保証会社に保証人になってもらう対価として、こちらは次の2つを受け入れなければなりません。
- 借り入れ対象の住宅に、保証会社が抵当権(第一順位)を設定することを受け入れる。
- 保証料を保証会社に支払う。
もしわたしたちが返済できなくなったら、保証会社がかわりに債務残高を一括して返済します。この一括返済を代位弁済(だいいべんさい)といいます。
代位弁済の結果、わたしたちは、これまでの金融機関から変わって、保証会社に返済する義務を負います。
保証会社に返済できない場合、保証会社は、抵当権をもとに住宅を処分することができます。
保証料の支払い方法は2通り
保証料の支払い方法は、次の2通りあります。
- 住宅ローンを借りる際に、一括で支払う。
- 借入金利に上乗せして、毎月支払う(分割払い)。
一括で支払うほうが、総額は安くなります。
住宅ローンの借り換え
住宅ローンの借り換えとは、返済額を減らすなどの目的で、別の住宅ローンに切り替えることです。
2016年に日本銀行がマイナス金利政策を導入して以来、住宅ローンの金利はこれまでになく低くなっています。
そのため、借り換えを検討する人、借り換えを売り込む金融機関とも、多くなっています。
メリット |
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デメリット |
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一般的に、以下の3つの条件を充たしたら、借り換えをするメリットがある(返済額を減らせる)と言われています。
借り換えの3条件
- 借り換えによって金利が1%以上下がる。
- ローン残高が1000万円以上ある。
- 返済期間が10年以上残っている。
まとめ
以上、初心者の方を想定して、住宅ローンについて、広く浅く解説しました。
他のページでは、より実践につながるノウハウなどもお伝えしています。よろしければご一読ください。
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